36 柳田国男南方熊楠往復書簡集 改装+α

size:194mm×135mm×45mm 496ページ

<作品の説明>
『柳田国男南方熊楠往復書簡集』を改装し、索引(仮)となるノートを付けました。

表紙は製本クロス+かぐやのグレーに銀のアイロン箔
見返しはファーストビンテージのイエローオーカー。

表紙や見返しの絵図は挿絵を掲載ページ付記で散りばめたデザインです。

<エピソード、制作時の事等>
博覧強記・下ネタ耳年増の南方 vs 良くも悪くもお役人&学者先生の柳田、世紀の対決!
性格のまったく異なる二人の交わした書簡を、出会いから絶縁まで丹念に追い、注釈も豊富な本書。
とてもおもしろいんですがあくまで書簡なので読みながら「あれ?あの話ってどこだっけ?」とページを彷徨うこともしばしば。

そこで索引を作ったら便利だろうと思ったものの、やはりかなりの工数でした。

◆スキャン
1.解体時に本文ノンブルの470ページ分をすべて見開きでスキャン

◆画像処理
2.Photoshopのバッチ処理などでページごとに1枚の画像に保存し、画像上に改頁フラグマークを挿入
3.エディタソフトでファイル名をページ数に変換
4.Acrobatで本文ノンブルの470ページをつないたPDFファイルに作成し、OCR機能でテキストデータ化

◆本文テキスト処理
5.テキストデータをエディタでInDesignで利用しやすいよう処理
6.InDesignで冊子状態を再現
7.InDesignの索引機能を利用して、索引用テキストデータを作成

◆挿絵処理
8.別途Photoshopで本文内の挿絵部分を切り出し
InDesignのデータ結合機能を利用して、挿絵画像とページ番号と並べ、表紙や見返しのデザインに利用

これらの処理の後、手製本で書籍を再び組み直しました。
体感で手製本以外の工数:手製本本来の工数=6:4くらいでした。
実は、本当に一番工数をとったのは、索引項目を選ぶために読み直していた時間ですが。
それでも今回はまだ索引に取り上げたい項目を網羅できていないので(仮)版として書き込み可能な簡易版としています。

<自己紹介>
まるみず組DTP講師です。コンクール参加は10回目。
毎回、なにか新しい挑戦をひとつ以上組み込もうと考えて制作しています。

 

スキル

投稿日

9 コメント

  1. そらまめ書林

    イラストの処理がカッコいい!工程を読み進めて誰の作品か見当がつきました(笑)自己紹介を見てやっぱりね。こんな書簡集があることも知りませんでしたが、それを素材に持ってこられるところもさすがです。

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  2. ひだい

    アイロン箔がすごくきれい! 工程をさらっと書いていて、実際、作者は大したことではないと思っているのかもしれないが、素人からしたら驚嘆するしかない(DTP講座を横目に見ているから余計に)。索引をつけるという配慮も素晴らしい。
    もちろん、本自体も丁寧に作られています。だからそろそろパッセカルトンを始めませんか(笑)。一度始めてしまえば絶対楽しいし、のめり込みますよー。

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  3. 会場コメント

    表紙のキラキラとシックな色の組み合わせのセンスの良さ。

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  4. 会場コメント

    DTPで出来ることの世界って広いのですね。

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  5. 会場コメント

    索引をかねたイラストの使い方など、DTPをする人間にとっては気になるアイデアが多いです。

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  6. 会場コメント

    オリジナルの索引や、索引に使える見返しといった、自分が欲しい要素を造り込んだ製本は「諸製本」の仕事をしていた私には印象的でした。

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  7. 会場コメント

    表紙の銀の和な絵がユニークでカッコいい感じで、ゆっくり全部の絵を見たくなりました。

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  8. ネット視聴者

    作者インタビュー動画を拝聴していて、中身を読んでみたくなりました。

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  9. 会場コメント

    色のセンスがカッコイイ!すごく素敵です。

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