62 常陸国分寺の雄鐘・雌鐘の伝説


size:135mm×198mm×16mm 26ページ

<作品の説明>茨城県石岡市に伝わる民話を題材に制作しました。物語の中に雌雄二つの鐘が登場します。その鐘のひとつは泥棒の手によって沖に沈められ、明けと暮れに残された鐘を恋しがり鳴るといいます。少し悲しい物語ですが、表紙には雌雄の2つ鐘が引き裂かれる前、国分寺の鐘楼に収められていた場面をエンボスで表現しました。
本文用紙/里紙 あさぎ 100kg 
文・絵/石岡駅壁画及び石岡市史より引用(この作品は、石岡市役所の許可を得て制作しています)

<エピソード、制作時の事等>“ハードカバーで両観音の表紙、というのが今回の技術的な達成目標でした。見返し部分を袖の厚みの分逃がしながらの糊付けに難儀しましたが、無理なく収まってくれたのではないかな、と思います。表紙をひと続きの絵とする意図上くるみ表紙を予定していたのですが、束厚を正確に把握するためドイツ装に変更、背は国分寺の朱塗り柱をイメージした赤色にしました。

<自己紹介>「本の装丁をデザインする」=「物語の住まう家を設計する」というのが手製本をするときの考えの中心にあります。物語の性格を踏まえて素材や構造をテストしながら全体を組み立てていく、という作業はとても楽しいです。

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4 コメント

  1. saieai

    全体の丁寧さ正確さはさすがです。特に両観音の表紙のきれいな仕上がりが開いた時に心地よく、エンボスの細かさに驚きました。本文と関連性があることで自然にお話の世界に入れるさりげない技が良いなと何度も開閉しました。

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  2. 会場コメント

    扉をあけて物語がはじまる感じが良いです。

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  3. 会場コメント

    製本と「みんわ」の構成がよかった。

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  4. 会場コメント

    エンボスがとてもきれいで効果的です。

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