size:W263mm×D23mm×H262mm 169ページ
<作品の説明>
橋本治の訳による『窯変源氏物語から派生した写真集の改装。おおくぼひさこによる写真は現代的に作り込んでいるので、表紙を仕立てるにあたり、作中にある光源氏にまつわる要素をクロス作りに取り入れた。「花宴」で光源氏が右大臣方に招かれた際の装いの御直衣(桜襲)をテーマにした。ボール紙の下地が透けるように、シルクオーガンジーを和紙で裏打ちし顔料で着色。また、絹糸とラメ糸を縫い重ねてフレームを作り、元の表紙に使われた題字の周りに埋め、複雑に重なる糸のフレームから、橋本治の訳した源氏物語の世界を覗くイメージで仕立てた。
<エピソード、制作時の事等>
橋本治の文体と作り込んだ写真による和様とエレガンスの混ざった源氏物語の世界観に沿うように改装するには、作中の要素をどのような素材で表せば良いか悩みました。物語を読み、装いの描写で人物像を想像させる部分がヒントとなりこのような形にたどり着きました。糸で作ったフレームを埋め込む作業が最も苦心しました。
<自己紹介>
紙や布を染めることに興味があります。
表紙をみても写真集を見ても、源氏?という雰囲気で、本のチョイスに感嘆です。表紙のフレームのラメ糸の合わせ方に、高貴で華やか、妖しい感じがよく出ているように感じました。
「花の宴」選ぶところからしてマニアック!いつもどんな素材で魅せてくれるのか、楽しみにしている大ファンです。今回も裏切られることなく、素材から拘った作品で嬉しくなりました!毎回色々な可能性を示唆して下さる。ワクワクします。
表紙の紙のアレンジがさすがです!全体の色のバランスや素材えらびもおしゃれ
フレーム部分にまず目を引かれました。表紙のシルクオーガンジーとともに、作品をとても繊細な印象に仕上げています。いつも感じているのですが、染色をやっていらっしゃるだけあって、色に対する感性がとても鋭敏でいらっしゃる。いつも新作を楽しみにしています。