size:W100mm×D266mm×H25mm 32ページ
<作品の説明>夏目漱石の夢十夜を10冊の豆本に仕立てました。
本文は沖縄の月桃から作られた和紙にFGP明治教科書明朝のフォントを使用して印刷。グラデーションのかかった刺繍糸を使用して胡蝶綴じで装丁しました。表紙には日本画の「くしびき」「砂子」などの技法を用いて作ったアートペーパーをあしらっています。10冊の豆本は四方帙に収めました。
<エピソード、制作時の事等>「十」というテーマから私の頭にパッと浮かんだのは夏目漱石の小説「夢十夜」でした。
幻想的な夢のイメージを表現するのに日本画の技法を用いアートペーパー作りに挑戦。全体的には和のイメージで仕上げましたが、少し洋本的な綴じ方である胡蝶綴じに明治時代の活版印刷をイメージした書体を使うことで明治の時代感を表現してみました。
<自己紹介>製本の楽しさを知っていただきたくて不定期にワークショップを開催。立場上自らの技術も向上せねばと思いつつ、最近は製本の歴史に興味が向いています。本の歴史は5000年。奥が深すぎて興味がつきません。
美味しい和菓子を期待してしまうほどの完成された外観。紙の選び方、デザイン、本文のレイアウト、手がかかっていて、完璧ですね。天晴れです。
質感のある素材を組み合わせて統一感を出すのは難しいと思いますが、すっきりと品がよくて、見応えのある作品です。随所にこだわりを感じました。
材料の選び方から本文の印刷、仕立てに至るまで、意図するところが明快に示されていて気持ちがよい。箱も、柔らかな雰囲気を持ちつつ凛とした佇まい。製本に対し、極めて真摯に向き合っていることが伝わってくるような作品だと思いました。
選者の講評のとおりです。
題せんが素敵です。
自分と同じ『夢十夜』を使い自分と同じく本文をプリンターで印刷して
用意しているのにシンパシーを感じたので。
夢十夜という作品の雰囲気にぴったりなこと、手に納まる小ささやわらかさと夢幻をあらわすような不思議さ、本文のデザインもすてきでした。
“和”な感じが良いです。
一夜ごとに一冊! 軽やかさが良いなと思いました。
和風にセンスよくまとめています。
1冊、1冊ていねいに作られていて、表紙のデザインもステキです。
家に持って帰りたいと、直感的に思いました。
デザイン、色、製本されている内容、全て好みでした。
昔風なふんいきが好きだから
和とじが風情がある!!
和本の美しさが表現されてると思いました。
宝物にしたいような作品です。