size:159mm×144mm×10mm 16ページ
<作品の説明>子どものころ、校門近くでおじさんが紙の上にストローのような棒状の人形をのせ、不思議な動きをさせながら、お話を聞かせてくれました。でも、それは売りもので、親に言わなければ買うことができないため、手にできずじまいのまま。そのまま、大人になってしまいました。
民話は誰かが作った物語ではなく、みんなで作ったお話です。テーマを聞いたときに浮かんだのは、そのこと、そして子供のころの思い出でした。
言葉遊びをきっかけに、ページ最後の板紙部分で人形を動かしながら、手に取った方たちにお話を作ってもらえるような本を作りました。文章を入れたページと表紙は越前和紙(もみ加工)を使用、裏表紙のみ人形が動かしやすいよう、ボード紙を入れ補強しています。2つの封筒と見返しは里紙で、磁石を入れる封筒は取り出しやすくするため少し遊びを入れて配置しています。人形を動かすための板紙はクリーム色にして、想像を妨げない色にしてみました。絵を描いてもいいと思います。手にした方によって自由にできるようにしています。話を重ねる時間を感じてもらえたらと、麻糸で和綴じにしてみました。
手にした方が、物語の続きを紡いでいただけると嬉しいです。
<エピソード、制作時の事等>どの組み合わせでも文章を滑らかにするのに苦心しましたが、ちょっとちぐはぐなのも、この遊びの特有なところでもあるので、悩みました。また、漢字にルビでも悩みました。一番悩んで時間がかかったのは、和綴じにするか、バインダーのようなリングでかがるかどうか、です。開きやすさがポイントとなりますが、リングは規定と併せ考えると難しく、薄く柔らかい和紙なら開きやすいのと、自分の表現的にも合い、和綴じにしました。
<自己紹介>新刊書店で長く仕事をしていました。現在は、インターネット通販(http://www.higurasibooks.com)と合わせ、本に関する仕事をしている集まり、「わめぞ」というグループが主催している「みちくさ市」という池袋、雑司が谷でおこなわれるイベント(https://kmstreet.exblog.jp)で、新刊本と古本を販売しています。ひとりでも多くの人に、1冊の本を、製本を含めた状態で感じて欲しいと、製本を勉強しています。
物語の内容が変わっていくところ。
コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
お話のアイデアが楽しくてよかったです。
本そのものに、遊びの趣旨説明を入れてなかったので、伝わるかどうか、心配でした。ありがとうございます。