size:222mm×167mm×35mm 472ページ
<作品の説明>『ゾーザが眠りこんだのを見るや、その膝から巧みに壺を取り上げて、かがみこむなりあっという間になみなみと涙を注ぎこんだ。(中略)王子は深い眠りから目覚めたかのように白い大理石の棺から起き上がり、奴隷女の黒い身体を両腕にかき抱いた。(「そもそものはじめの物語」より抜粋)』
ヨーロッパにおける最初の本格的な民話集『ペンタメローネ 五日物語(作:ジャンバティスタ・バジーレ)』を丸背の改装本に仕立てました。
以前ワークショップで習ったパーチメントクラフトをもう一度やりたかったので、表紙のエンボスにはめ込みました。絵柄のモチーフは『そもそものはじめの物語』にでてくる涙が注ぎこまれた壺です。
<エピソード、制作時の事等>“今年のテーマが民話だと知り、まず私が好きなイタリアに関係する民話を探そうと考えました。その途中で偶然『ヨーロッパ最初の民話集』の存在を知り、今回の作品に使うことにしました。
ペンタメローネはグリム兄弟やペローなど、後のヨーロッパを代表する作家たちに大きな影響を与えたといわれている作品です。この本には白雪姫やシンデレラの原型になった話も入っており、50もある物語はどれもとても面白いです。
一度完成させた後に、表紙が間違っていることに気が付きました。しかし直す時間がなく、戒めの意味も込めてそのまま提出することにしました。同じ失敗を繰り返さないように来年はもっと余裕をもって制作に取り掛かります。
<自己紹介>応用コースに通っています。現在の目標は自作小説を本にすることです。外国文化に興味があり、イタリアが特に好きです。