size:223mm×120mm×43mm 72ページ
<作品の説明>
使った素材
本(本文:里紙灰・とび・あじさい トレーシングペーパー、マルチ三椏和紙厚口 表紙:ボール紙2mm 民芸紙 キカイ白レースN渦巻 キカイ白レースA水玉 キカイ白レースF市松)
箱(ボール紙2mm 製本用クロス 和柄生地)
素材や柄は和物ですが、綴じ方はコプティック装になっています。
ちょっと怖い話だけを集めて、お札のようなイメージで縦長の本に装丁しています。
<エピソード、制作時の事等>
柳田國男といえば遠野物語でした。
遠野物語のこの世のものでないものの話(天狗、河童、幻)の三種類を選んで、三枚のお札のような雰囲気で作りました。
どの話も短い話のものばかりなので、ページが少なくても開きが良く、厚みのある紙でも綴じやすいものでコプティック装にしました。
それぞれの妖怪のイメージの色や柄に合わせて和紙も選びました。
<自己紹介>
図書館司書をしていた頃に修理に興味を持ち、ワークショップに参加したりしているうちに、いつのまにかまるみず組に入っていました。
出版社にもいたり…現在は印刷会社で勤務しています。
なんだかんだ本に関わりる仕事をしています。
年に一度、本にまつわるアレコレを書いたコラムを載せた同人誌を出してます。
こちらは細々活動中です。
レース和紙と色のついた紙の組み合わせがきれいですね。和綴じや折本ではなくコプティック装にするという発想も面白いなと思いました。
「河童」が緑なのが引っかかった。本文に「身内真赤」「色赭きなり」と書かれているし、wikipediaにも「緑色または赤色」とある。「河童=緑」とは限らない。さらに『遠野物語』本文では「川童」と表記されているのにタイトルは「河童」。なにか意図があるのか。
ざっと見ただけなので見落としているのかもしれませんが、出典がないのも気になりました。
本自体について言えば、レースと(納得いかないとは言え)色の取り合わせはきれいだと思います。
シンプルな箱と中身の意外さが面白く、レース和紙の表紙がとてもすてきでした。
箱の色使いが好きなのと、中身の挿絵などが良いです。