size:165mm×115mm×30mm 48ページ
<作品の説明>
柳田國男さんをテーマにしたお題をいただいて、いろいろな製本をイメージしているうちに、藍染の和紙に出会いました。
手製本では、絵や筆文字で綴るノートを作ることが多いのですが、今回は、手漉き和紙を左右繋いで折にまとめてかがり、絵や筆文字のための製本を作りました。
折をほどいて切り取れば、一枚一枚、はがきのように使うこともできます。
表紙とスリップケースの藍色の紙、本文の手漉き和紙は、アワガミファクトリー。
他美濃和紙や、私が手漉きしたものも使いました。
軸の部分は、和紙で作られたマクラメ糸を使用してみたり。
<エピソード、制作時の事等>
手漉き和紙の素材の大きさが不揃いなので、背をむき出しにした、天地の仕上げの仕方をひと工夫すればよかったと思います。
ただ、思いついたアイディアや欲しい製本を自分の手で形にできてとてもうれしかった。
<自己紹介>
自作の絵本を手製本でしあげていくことを目標に、いろいろな作品に挑戦していきたいと考えています。
背のかがりを見せるデザインは時々あると思いますが、支持体の糸の端をほぐして貼ったところまでデザインとして見せるのは斬新だなと思いました。その糸の色が藍染めの和紙によく映えていてきれいですね。
和紙の風合いや特徴を上手に活かしていると思いました。表紙の藍染もきれいで、たしかにこんな紙を見つけたら使いたくなりますね。
かがりの糸は外で結んでいたでしょうか。危なっかしいし、見た目にもよくないので、内側で処理した方がよかったのでは。
またケースについてですが、ケースのそもそもの理由を考えると、見せることの方が優先されていることに疑問を感じます。面陳するのでなければ、いずれにせよ表紙は見えないわけですし、取り出して初めてわかるというのも乙だと思います。
かがり糸が見えるデザインで、箱も斜めになっていて、インパクトあってキレイ。
直接手にとってみていただけたのでしょうか。
とてもうれしいです。
藍色の和紙が本当に美しくて、素材に出会って、それを思い通りに形にできる楽しみを得たのは、基礎から学べたおかげだと思います。マクラメの軸糸を花のように開いた作品を昨年末から試作しました。
今回は、自立する和紙の魅力を加えたくてスリップケースも作りました。
マクラメの花が並ぶのを見せるために、ケースを斜めにカットしました。
これは、見た目が美しくしたいという理由もありますが、この作品の特徴として、背の厚さを足して、小口に余裕のあるスクラップブック製本を応用したので、押し花やちぎり絵などの使用ができます。小口の厚さが増しても取り出しやすくなっています。
もっと分厚いタイプも作ってみたいです。
貴重なコメントをありがとうございました。
自由な中身に端正な製本が印象的でした。
こんにちは、見てくださりありがとうございます。
和紙をどのくらい組立てていけるのか、根本から試してみました。
製本を基礎から習得して、そもそもの組立のなるべく初めの方から全部やってみたいと思いましたが、硬くなったり、重くなったりするかと思いきや、やはりフワフワとしなやかさを保ちながら、思いのほか軽いのも少し驚きです。
紙の本は重いという既成の感覚を少し見直して、もっと大きくてバサバサと軽いのを作ってみたいなと思います。