size:140mm×97mm×30mm 32ページ
<作品の説明>
歌人としての与謝野晶子は有名ですが、14人の子どものお母さんで童話を書いていたことはあまり知られていないと思います。
自分の子どもに読んであげたいような童話がないので、自分で書いたそうです。
そんな与謝野童話の中で私が番好きなお話です。
金魚がお使いに行くというシュールすぎる設定と、金魚と駅夫さんとのほのぼのとした会話に完全にやられました。
明治の時代感とお話の温かみを表現できる装丁を目指しました。
素材は和紙中心。
「お使い」ということで和菓子風の箱入。
金魚は「お手がない」から持っていけないんですけどね。
ちょうど今年箱作りのワークショップを受講したので、箱も自分で作りました。
<エピソード、制作時の事等>
新字体の本を底本にして手入力したのですが、旧字体にしたくて最初はいちいち自分で変えていたのですが、Google翻訳みたいな画面で新字体から旧字体に一発変換してくれるサイトがあることを今回の作業で知りました。
便利な世の中だ。
<自己紹介>
講師業は相変わらず半休眠状態ですが、作品制作はマイペースで楽しんでいます。
お題や締め切りがある制作というのも良きものですね。
いくつになっても修行中。
本文にぴったりの、おしゃれな仕上がり。受講したワークショップの箱作りを生かした即応性、応用力はならいたいところです。与謝野晶子さんにプレゼントできたら…受け取った作家の反応を想像してしまって、楽しくなってしまいました。
なんだろう、どこがどうというわけでもないのだけれど、
たしかに和菓子の箱っぽい(笑)。
そのせいか本自体もいっそうかわいく見えてくる。
童話の成立背景まで含めて丁寧に織り込んだら
優しさと温かみを感じさせる作品。
実際におもたせでいただいたら感激してしまいますね。
表紙の質感がとてもよかったです。
時代背景を感じられる素材の選び方、「お使い」から和菓子風の箱にしたアイデアが好きです。