size:176mm×131mm×38mm 444ページ
<作品の説明>
羽州ぼろ鳶組シリーズ第1巻『火喰鳥』(文庫)を丸背上製本に改装し、夫婦箱を作成。ギャルドブランシェは書籍用紙72.5㎏を使用、別丁扉を和紙(楮・水玉紙)で作り、見返しは江戸小染はなを使用。本・函ともにタイトルは文字を切り抜いて作成。函の内側は京都西陣織・金襴生地 牡丹鳳凰。江戸火消の物語なので、火消半纏をイメージしています。
<エピソード、制作時の事等>
羽州ぼろ鳶組シリーズ(今村翔吾著)は江戸火消の物語です。主人公の着用している火消半纏:背には紺地に家紋の蔦・内側には鳳凰、をモチーフにしてデザインを決定。薄手の生地で鳳凰の描いてあるものがなかなかなく、金襴生地を購入。通常の裏打ちができないので、裏打ち用シールを使用。とにかく端の糸がほどけてきてしまうので、何とかなってホッとした。今年も小口のチリが大きくなってしまったのは、背幅が大きかったのか。出来上がってみると、タイトルがまるで消火器のようだった(笑)
<自己紹介>
まるみず組応用生、コンクールは4回目の参加。習った製本技術を日常生活の中でいかしたいと思い、カルチャークラブを受講。DTP講座のおかげで手帳が自作できるようになり、嬉しい。本の修理をすることもあり、先人たちの、試行錯誤や工夫の跡が垣間見られるのも興味深い。コンクールで皆さんの作品を拝見するたびに、発想の豊かさや技術に感動しています。
https://twitter.com/bookbinding2020/
渋いというか地味な仕立ての箱だが、開けば金襴が目を射る。
タイトルが切り文字なのには、あまりに見事なのですぐには気づけなかった。
そもそも作者にはそこに注目してほしいとも思っていないのかもしれない。
押さえるべきところをさらりと押さえつつ、
それを声高に主張しないところが実に粋。
丸背もきれいにできており、完成度が高いと思った。
丸背の仕立て、切り絵のタイトル、内容と対応した生地の選択、すべてがレベルが高いです。