size:227mm×163mm×34mm 208ページ
<作品の説明>
母と子の名作文学シリーズ『赤毛のアン』(集英社、1967年)の改装版。
翻訳は村岡花子、挿絵は中谷千代子。
「コンクールでは自分が今までやっていない技術を盛り込む」ことが目標のひとつなので、今回は恩田則保氏から教わった背バンド装(フェイク)を取り入れてみた。
【材料】プンペル(ギャルドブランシュ)、タッセルGA(見返し)、タントセレクトTS1(スリップケース)、牛革(表紙)、マット金のアイロン箔
<エピソード、制作時の事等>
元は古本だが、娘に譲るために改装した。
スリップケースにはペーストペーパーを用意した。娘が気に入ったエピソードのいちご水(実はぶどう酒)の色と、挿絵に度々出てくるかわいい絨毯の模様から着想を得た。
また、緑の見返しは原題訳にある「緑の切妻屋根」から選んだ(この絵では赤紫に描かれている)。
納期2日前の仕上げ段階で、ペーストペーパーの寸法を誤って天地で切ってしまい頭が真っ白に…やむを得ずまた一から作り直した。
また、表紙の革はオイルドレザーだったためなのか箔が付かずこれも愕然としたが、思いつきでメイク落としで拭き取ったら付いたので良かった(※正しかったかは不明)。
ケースと本には娘のイニシャルを入れている。気に入ってくれたようで嬉しい。
<自己紹介>
板橋区の製本屋勤務。仕事は主に製本以外のことをしています。
コンクール前は早朝や昼休みにチビチビ製本。毎日このくらい鍛錬を積んだら成長するでしょうにね…続けるって難しい。
いかにも愛蔵版然とした、落ち着いた佇まい。
ファンシーかつレトロなペーストペーパーがとくによい。
締め切りの迫るなか、一から作り直すのは大変だったと思うが、
間違えることでしっかり身についたのでは。
ギャルドブランシュがちゃんと本文と合っているのも行き届いている。
そう考えると、表紙の革がちょっときれい過ぎたかも……。
なににせよ、長く読み継がれてほしいと思わせる一冊だった。
(細かいことですが、ギャルドブランシュは「プンペル」ではなく「ブンペル」ですね)
丸背上製で革装
スリップケースに使われたペーストペーパーが、物語のどこかに登場しそうな壁紙や少女たちが身に着ける生地にも見え世界観を作っているところが素敵です。
革に対して箔をのせる方法にたどり着いた点は、なるほど、と思いました。
好きな本を改装して娘さんにお渡しするなんて理想的です!革装はあこがれです。
高級感があり、すごくきれいに作られてて感動しました。
発想もすばらしいし、製本技術の高さを感じます。
古本らしさがすごく伝わる 箱も本もレトロ
箱のピッタリさがすごい