32 赤-縦横

size:150mm×157mm×25mm 64ページ

<作品の説明>
三度目は好きに使っていいと某組員から預かった赤い糸が縦糸となった。横糸代わりの和紙は内山紙。冬に深く積もった雪の上で晒され、太陽と雪の力を借りて白くなる。裏打ちは楮の薄様。イワカカガミで染めたという少しくすんだ桜色。背はチリ入りのうずら紙を真っ赤な和紙で裏打ち。見返しはずいぶん昔からウチにある和紙。赤でよかった。出番だよ。 本文紙は、おなじみNTラシャの赤を8色。えんじ、からべに、べに、べんがら、濃赤、赤、緋色、朱。色当てクイズができそうだ。 long stich で小さなアルバムに仕立てた。どちらが表紙でどちらが裏表紙?決して貼り間違えたわけではありません。

<エピソード、制作時の事等>
赤い糸を織機に張ったのはお題の赤が発表されてまもなくだったが、糸の太さが気になりそのままに。 その後本棚の奥から、タイトルに「赤」の文字が入った古い本が出てきた。もちろん糸綴じ。この本の改装だ。とあれこれ考えていたら、野暮用で6月に製作に時間が取れないことが判明。7月になってようやく手が空いた。 締め切り目前。予定変更というか振出しに戻る。慌てて織機を取り出した。和紙は、6月に会った友人に「ウチで漉いてる最高の紙。切れ端だけど…」と頂いたもの。織りに一日。表紙の裏打ちが乾くのに一晩。本文の買い出しに一日。背やら見返しやらの裏打ちが乾くのに一晩。待ってる間に本文を切り出す。織りに使った木綿糸でかがり始めたが挫折。糸が穴に引っかかって切れた。糸の買い出しに20分。 一番の苦労は表紙の背にかがり用の穴を目打ちで開けることでした。掌に穴が開くかと思った。動画のおじさんはJapanese何とかと言いながらいとも簡単に開けていたのに!そしておじさんの動画を見て、初めてのlong stichに挑戦!!手製本は面白い!!!

<自己紹介>
手製本を始めてかれこれ30年。ブランクも長かった。昨年受けた基礎講座は良い振り返りになった。ぼちぼち続けて行けそうです。まるみず組二年生。

https://www.instagram.com/hexeauspapier/


スキル

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7 コメント

  1. ひだい

    表紙が本当にきれい。
    じっと見ていたくなる。
    作者は「簡易織り機のおかげ」となんてことないように言っていたが、
    道具があれば誰でもできるというものではないだろう。
    技巧に振り回されたり、逆に通り一遍で済ませたりする作品も見られるなか、
    すごくいい按配の本だなと思った。
    素材が友人知人から集まったものというのも素敵ですね。

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  2. 会場コメント

    刺繍など丁寧で、赤を堪能できる作品だと思いました。

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  3. 会場コメント

    ネットではわかりにくかったですが、表紙を織られていてすてきに仕上がってますね。

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  4. 会場コメント

    表紙を織りで作っている事細かな作業におどろきました。

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  5. 会場コメント

    表紙のこわだりにビックリ!

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  6. 会場コメント

    赤い糸がすばらしかったです

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  7. 会場コメント

    表紙が素敵です。

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