009 十一人二十一首 ~百人一首もどき~

size:210mm×145mm×23mm 24ページ

<作品の説明>
「短歌」をテーマにした物語を作成し、それにあった製本を施しました。使用素材は、裏打ちクロス,紙,2mmグレーボール,ミラーシート,革です。
童話や漫画の主人公が愚痴のように短歌を口ずさむお話です。物語は「鏡」「狼」「時計」「兄と姉」の4章で構成されています。各章のテーマを装丁に盛り込みました。絵本くらいの文字数なので、是非、本を開いて、物語を読んでいただければと思います。といっても、ネットでは無理ですよね。一部ですが、ご紹介させていただきます。

詠み人 オオカミ兄 「あかずきんちゃん」に登場

 赤ずきん 丸飲みしたのが まずかった
   弟に告ぐ よく噛んで食え

 更に告ぐ 食後の寝こみを 襲われた
   食べてすぐに 寝るべからず

詠み人 オオカミ弟 「七ひきの子ヤギ」に登場

 何を言う オオカミたるもの 丸飲みだ
   子ヤギ六匹 椀子食い

 誰だって 腹が膨れりゃ 寝るもんだ
   七匹いたとは 知らなんだ

[解説・講評]
どうしてオオカミはいつも悪者なのでしょうか。肉食だからでしょうか。だとしたら意義を申し立てます。ペローさん、グリムさん、あなたたちも、お肉召し上がっていますよね。私なんて、子豚に茹でて食べられてしまったのですよ。オオカミであるにも拘らず。 三匹の子豚のオオカミ

<エピソード、制作時の事等>
「物語から作る」が私のこだわりの一つです。「短歌」というテーマに即しながら、会場で気軽に読めて、少しだけ心が温かくなる物語を目指しました。製本は「物語の導入となる装丁」「物語を読んだ後、余韻に浸れるような装丁」を目標にしました。

<自己紹介>
「本が好きで作った吹き抜けの図書室に豪華な装飾本を並べる」という夢をかなえるために製本を始めました。未だ夢に見たような本をつくれるまでには至っておりませんが、「物語をつくるところから始める」ことで自分にしか創れない本をつくっていきたいと思っています。


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8 コメント

  1. 会場コメント

    水のイメージのデザインはとてもあっていると思った。

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    • 浜本あゆみ

      ありがとうございます。コメントいただけたことを励みにして、また頑張ります。

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  2. 会場コメント

    外箱や表紙の鏡面が目を引きます。主人公たちの短歌という題材も面白かったです。

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    • 浜本あゆみ

      中身も読んでいただけたのですね。嬉しいです。テーマを元に中身を作って、それにふさわしい装丁を考えているので、装丁にテーマがみえにくいですよね。読んでいただいて初めてわかる感じ。なので、読んでいただけて本当に嬉しいです。

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  3. 会場コメント

    鏡が配されている箱がカワイイ。

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    • 浜本あゆみ

      コメントありがとうございます。本当に嬉しいです。箱の表は、砂時計をデザインしたつもりなのですけど、お分かりになりましたか? 第1章の鏡と、第3章の時計のイメージを重ねてみました。

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  4. 会場コメント

    表紙と開いた時のデザインが素敵だと思いました。ミラーと切り絵(革)で表現しているのが好きです。

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    • 浜本あゆみ

      好きだと言っていただいて、本当に嬉しいです。好きは最高の誉め言葉ですね。作って良かったと思えました。

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