060 木下龍也著 あなたのための短歌集 鹿皮紙改装

size:190mm×130mm×22mm 200ページ

<作品の説明>
本屋を営んでいる友人の勧めでこの本を手に取りました。一首一首を読むうちに涙が流れて、いつの間にか嗚咽から声を出して涙するまでになっていました。
短歌に素養のない私が初めて触れた短歌。
短歌とはここまで人の心を揺さぶるものなのかと、新たな世界を開いてくれた一冊です。
すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの人に読んでもらいたくて改装しました。
同じ頃、害獣駆除された鹿を利用した、鹿皮紙プロジェクトを知り、鹿皮紙に出会いこれを材料にすることにして作品を作りました。
鹿皮紙と無花果というショールームにお邪魔し、鹿皮紙が出来るまでの工程や様々な種類の鹿皮紙を拝見させていただきました。
鹿皮紙と無花果のホームページをぜひご覧下さい。
https://shikahishi.shujiworks.com/news/

代表の河田修二さんは腰の低い気さくな方で、私の聞いたことにとても丁寧に答えていただきました。
鹿皮紙は千年生きる紙です。試行錯誤しながら使わせて頂きました。
使用材料 「鹿皮紙と無花果」河田修二さんから購入した鹿皮紙 かぐや満月130kg

<エピソード、制作時の事等>
このコンクールでは毎回、新しい事にチャレンジすると決めています。
今回使用した鹿皮紙ですが、とても難しい材料でした。
最初はもっと白くもっと薄くしたくて、漂白剤を塗ったり紙ヤスリをかけてみたりしましたが、悉く失敗しました。
漂白剤を塗ると、薄くはなるのですが黄色化してしまいイメージに合いませんでした。
ヤスリがけは革の凹凸によって敗れてしまう所が出てしまい使えないことがわかりました。
結局生成りのまま使用したのですが、とても硬く、また反りも大きくて柔らかい革のようにいきません。

河本洋一先生、山崎曜先生に指導して頂き、背の部分の試作を革の端を使って3回ほど行いました。また道具もお借りする事によって硬い革に溝を作ることもできました。
このコンクールでのチャレンジは毎回新しい経験を私に与えてくれます。

背の部分の箔押しですが、最初は手書きの予定でしたが、大栄活字社さんが店仕舞いをするとのことを聞き、急いで手に入れた活字を使用しました。
箔押しは山崎曜先生にやって頂きました。

<自己紹介>
パッセを習っています。コンクールには6回参加しているので組員7年目かな?
手製本をやっている事で繋がる人との関係を大切にして行きたいと思っています。


スキル

投稿日

8 コメント

  1. 会場コメント

    もしや、jiyucolor展にも昨年別の製本作品を出品されていました??
    今回は鹿皮ということで、年数が経ったら、どんな表紙に変化するだろう?と想像して楽しむことができました。

    返信する
    • 高橋 英世

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる様に、昨年のjiyucolorに出品いたしました。
      私は2期生なのですが、昨年から参加しています。
      鹿皮紙の経年変化、楽しみですよね。

      返信する
  2. 会場コメント

    鹿の皮を使っていて、それを感じさせないものになっていたため

    返信する
    • 高橋 英世

      コメントありがとうございます。
      鹿皮紙に注目していただいて感謝です。

      返信する
  3. 会場コメント

    革がかっこいい!

    返信する
    • 無名

      会場で拝見しました。作品説明やエピソードを拝読し、表紙の革を直に触ってみたいなあと感じました。手袋越しに何度も触ってみましたが、やっぱり分かりませんでした。いつか直に触ってどんな感じなのか知りたいです。

      返信する
      • 高橋 英世

        コメントありがとうございます。
        しばらく教室に展示してありますので、機会があれば是非手にとって下さい。

        返信する
    • 高橋 英世

      コメントありがとうございます。
      かっこいいなんて言っていただけてとても嬉しいです。

      返信する

コメントを送信

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です