size:263mm×187mm×30mm 160ページ
<作品の説明>
テーマが故郷ということで、私にとっての紙遊びのふるさととして、折り紙の本、前川淳さんの「本格折り紙」を改装しました。
未就学児のころ、地域のコミュニティセンターで折り紙を教えてくださっていたおじいちゃんにお会いしたのをきっかけに、小学中学年くらいまで折り紙に嵌りました。
色んな折り紙の本に挑戦しましたが、中でも前川さんの「トップおりがみ」と「ビバ!おりがみ」は、どうしても高難易度の悪魔が折れなかった忘れ難い名著で、その二冊をまとめたものが出版されていると知り、今回の改装に選びました。(約30年越しで、念願の「悪魔」も無事倒すことができましたありがとうございます!)
また、祖母に連れられて行った紙屋さんで、千代紙の折り紙セットを買って貰うのも嬉しくて、でも勿体なくて使えず、今まで取っておいていたのを、ほんのちょっとだけ表紙に使っています。
当時の友人とも競った折り紙。これらの思い出と共に、改装しました。
余談ですがこの本には、随所に前川さんの折り紙の図面設計の考え方も分かりやすく記載されています。小学生の私に手渡してあげたくなった良書、折り紙がお好きな方はぜひ。
使用素材:千代紙、民芸紙、型染め和紙、折り紙(軸は折り紙を布で裏打ちしたもの)
<エピソード、制作時の事等>
自分が実際に使うことを想定し、開き優先でスイス装にしました。180度開いたままページが戻らないようにと思い、またせっかく背中を見せるのだから…と考えたものの、細い糸と固めない背中と重めの本文で、今から糸が切れないか心配です。切れたら可愛い糸で直します。
思いつきで花布を付け、段差を埋め立てたことで、小口側のチリがいなくなりました。
見返しと本文のベタ貼りの失敗は、民芸紙に糊が染みるのを怖がって、糊の量と糊の水分量を減らしたのが敗因と思っています。
表2が寂しいので、戻ってきたら、折り途中の紙が入るポケットを付けたいです。
見返しと本文を合体させる良い方法を、どなたかご教授ください。
<自己紹介>
新しく製本屋さんにお世話になり1年とちょっと経ちました





デザインからも構造からも、折り紙に抱く愛情が伝わってきました。
さりげなく気が利いていて、神経が行き届いていて……、
ご本人のなかでは反省点もあるようですが、
今回も素敵な作品を見せていただきました。
大人になっても大切にしたい本なのだろうなと伝わってきました。