size:265mm×203mm×10mm 0ページ
<作品の説明>
クロス:黒、オレンジ(はなぎれ用)
見返し:新バフン紙90Kすみ色
表紙:2mmボール
かがり糸:麻糸20/3,ホワイトレーン16/6
私が思い出す「故郷」は、いつも夜です。
約10年前に出会った「よるのかえりみち(みやこしあきこ/作、偕成社)」は、まるで私の心を写し撮ったかのような絵本です。
働いていた母を待つため、いつも遅くまで保育園、児童館にいた私、帰りはいつも夜でした。
家に帰る道で見るよその家の明かりが好きでした。
あの家では、あの明かりの下では、どんな話をして、どんな食事をしているんだろうと考えながら歩いていたのを思い出します。
実家終いをしたため、もう帰る「故郷」はありません。
また、母と手をつないで家に帰りたいです。
何回も読んだため糸が切れてしまっていたこの本を、今回、改装しました。
<エピソード、制作時の事等>
この本は、「故郷」を思い出す1冊です。作業中に「故郷」を思い出しては、泣けてきて作業が進みませんでした。
お題が発表されたから提出まで時間があったにもかかわらず、完成したのは提出の2日前です。
表紙のクロス、はなぎれ、見返しに使った用紙、全て私が好きな色と素材で作りました。
<自己紹介>
製本をはじめて4年が過ぎましたが、まだまだひよっ子です。
あれもこれも作製してみたいと思うのですが、技術が伴っておらず現在も修行中です。
製本の世界は、どこまでもどこまでも深いなあと思う私です。





糸が切れるまで読んだ大切な絵本がこうして生まれ変わるのは素敵ですね。もともとの表紙も見てみたかったです。
2日前に提出…大変優秀だと思います…!
表紙や見返しからスッと続けて本文の世界に入れる雰囲気が素敵です。
ボロボロになるまで読んだ絵本があたらしい形となって再生されていてすてきでした。