size:280mm×210mm×25mm 56ページ
<作品の説明>
江戸時代の版元である蔦屋重三郎を描いた令和7年のNHK大河ドラマ『べらぼう』に因み、和本の製造工程が描かれている江戸時代の黄草紙をデジタルアーカイブズから享和二年(1802年)発行の『的中地本問屋(あたりやしたちほんどいや)』とその翻刻本を復刻しました。
『的中地本問屋』は、『東海道中膝栗毛』などの道中物で知られた流行作家・十返舎一九が、いかにして流行作品を生み出すかということを小説仕立てで展開した作品で、江戸の出版物がどのような手順で作られていったのか製本工程がよくわかる興味深い作品です。
表紙:強制和紙
糸:阿波藍染め糸
本文:OA用和紙
4冊
大本 『的中地本問屋』東京都立図書館蔵版 (黄色)
半紙本『的中地本問屋』東京都立図書館蔵版 (紺色)
半紙本『的中地本問屋』東京都立図書館蔵版翻刻付(紅色)
半紙本『的中地本問屋』国立国会図書館蔵版 (萱草色)
<エピソード、制作時の事等>
現代我々が製本工房で学んでいる和本の製作手順や道具がこうして昔から受け継がれていることを確認できた興味深い草紙です。
国立国会図書館と東京都立図書館所蔵のデジタルアーカイブズからそれぞれ引用しました。
同じ版でも摺りのタイミングによって、版板の擦り切れ具合など比較できて面白いと思います。
<自己紹介>
古書店巡りで気に入った古本を購入しているうちに、傷んだ本を自分で修理したくなり製本の勉強を始めました。
これまで会社員として「士農工商」の「商」の人生の中、製本を通じて「工」の面白さに目覚めました。
自分好みのデザインや素材を使って修理して愛蔵書に変身させるわくわく感を楽しむ一方、1ミリの違いで仕上がりが大きく変わる「工」の世界で、日々自分の仕事に対する向き合い方と重ね合わせながら反省しつつ自己鍛錬しています。
I started studying bookbinding because I wanted to repair the books I purchased from old bookstores. Traditionally, Japan had been categorized by four distinct social classes, these being Warriors, Farmers, Craftsmen and Merchants. As I have been working as a company employee for a long time, I have been living my life under the “Merchant” class. However, since getting into bookbinding, it has introduced me to a whole new world. In this world, something like a single millimeter of difference can make a huge difference in a finished product, and because of this I have reflected my own approach to every day work, to line up with a craftsman way of thinking, as I continue to learn the art of bookbinding.





今日、自分が想定していた作品に内容、デザインが近く、その点も面白かったです。
昔の本をそのまま読んでいるようで興味深かったです