size:254mm×115mm×13mm 160ページ
<作品の説明>太宰治『お伽草子』の「カチカチ山」を読んでとても納得したため、通常のお話と並べて読めるといいなと思い、この形に仕立てました。
本文紙はクリームキンマリ90k、綴じ糸はレース糸(絹)、外の表紙は山羊革のお腹のあたり。綴じはフレンチリンク。
<エピソード、制作時の事等>・中の表紙はマクモさんの布(布博でハギレを購入)です。なんともいえないウサギの表情が、太宰版の残酷うさぎにぴったりと思いました。
・革の裏に布か紙を貼るべきか迷いましたが、このケモノ臭のするお話、なんとも醜い狸には、このままが良いように思いました。
・背を固めていないので、開きやすく比べて読めるようになっています(若干グズグズですが)。
<自己紹介>きれいな紙や布を見ると使うあてもなく購入してしまい、たまに取り出して眺めてはにやにやしています。
基礎コース月1クラスで2年目に入りました。
ツメの甘さを克服し、ぴっちりした作品を作れるようにがんばります。
革をめくると裏表紙、というのは狙いなのでしょうか。いきなり不意打ちを食らわされたように感じてしまいました。また、1枚の革に2冊を並べて綴じつけたのはなぜなのか。革に覆われている状態だと中が分冊になっているとは思わないので、迂闊に手に取るとがくんと折れて、やっぱり驚いてしまう。総じてこの形にした意図というか必然性というかがわかりませんでした(「並べて読める」はたしかにそうでしょうが、同時に読み進める人が実際にいるのか?)。革自体も、「ケモノ臭のするお話」「醜いタヌキ」と書いておられるわりにきれいなので、ちぐはぐな感じがします。本自体はきれいにできているおり、基礎的な技術が身についていることが伝わるだけにもったいない。全体の色合いとか、表紙のうさぎの表情とかが好みに合うぶん、余計に強く思ってしまいます。