77 Myhouseholdaccounts

size:297mm×210mm×15mm 52ページ

<作品の説明>
「Myhouseholdaccounts」、家計簿という意味のタイトルの、財布の中に延々と溜まっていくレシートのアーカイブを制作しました。
素材はインクジェット用紙、麻紐、蝋引きした糸です。
資本主義社会において、レシートは私たちの生活の痕跡としてついてまわります。
そこには、例えばコンビニであれば、日時、商品名、単価、個数、合計がいくらでそのうちの○円が消費税であるということなど(はたまたレジスタッフさんの名前まで)が明記されています。
これらは金銭授受の証拠として機能するものですが、そこから私たちの生活をある程度詩的に読みとることができるものでもあります。
120円のプリンを買うときに発行される無機質な記述の一方で、数字には残せないそれぞれのナラティブな事情もつまっていることと思います。
しかし様々な情報が記録されたレシートが私たちの生活に一挙手一投足についてまわっているこの状況にある種の違和感や抵抗感と、不気味さを感じることがあるのも事実です。
薄くヨレヨレになった感熱紙の独特の触感、すぐに薄くなっていく文字、この小さい面積にすら入り込んでいる割引や広告の情報。
そのなかに見覚えのない文字で私のことが記録されていて、一定の絶対感を放っている。
人の経験がレシート化されるという、身体からあまりにもかけ離れたこの記録(しかもあるイデオロギーに基づいている)には独特の面白さと気持ち悪さが同居しているなと思います。
このように、この本ではレシートに還元され得ない経験や時間の厚みを想起することと同時に、そういった違和感や不気味さを両立できないかと考えながら制作しました。
そのために中身も造本にもひっかかりを作り、ノイズの多い物質性のあるものにしています。

<エピソード、制作時の事等>
今回のテーマは布表紙で包むのは違うなと思い、こういう形になりましたが、静かで丁寧な本も本当に好きなので、次はそういう本にもチャレンジしたいです。
学校の課題では制限が多いので、久しぶりに自由度の高い制作をすることができてとても楽しかったです。

<自己紹介>
今年の4月から製本を学び始めました。
グラフィックデザインを学んでいる学生です。
毎日課題に追われてるので、毎週数時間頭を空っぽにして製本作業ができる時間があることがとても有難いです。
今年は沢山本を作りたいです。
@tada_yuuka_


スキル

投稿日

2 コメント

  1. ひだい

    着眼点が素晴らしい。
    たしかにレシートは生活史の記録になり得る。
    ひとりの人をずっと追跡してもいいし、
    複数の人を見比べてもおもしろそう。
    装丁も飾り過ぎないがちょっと捻りがあって、内容によく合っている。
    今後、他の作品もぜひ見てみたい。

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  2. けいこ

    個人的にこういうのスゴく好き。かっこいい作品じゃんじゃん作って欲しいです。

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