30 改装「本と装幀」

size:220mm×140mm×36mm 284ページ

<作品の説明>
無線綴じ並製本を、丸背ドイツ装布装くるみ製本に改装し、クリスクロス(シークレットベルギー)綴じ三方帙におさめた。フレンチ綴じとリンク綴じの刺繍を本の背に施し、帙の角処理は仮フランス装と類似するはかま折りとした。

【素材】 リネン布、刺繍糸、襖紙、桑紙(自作)、帯麻、カラーインク、パステル、艶消し銀箔、トレーシングペーパー、八尾和紙、落水紙、染め和紙、起毛紙。

<エピソード、制作時の事等>
本書では、製本・装幀における国内外の違い(本扉の別丁化、奥付の配置など)が触れられており、日本語ならではの縦書き右開きの本のかたちに着目しました。
改装に際し、明治以降の国内書物の洋式化を自分なりの和洋折衷として表現しようと、見た目は静かな雪や氷が雨水に移り変わる早春にたとえ、本の構造は、本文本体を国内出版物の形態(原書の地袋・奥付に加え、原書表紙の別丁扉化、和文原稿用紙を型押しした間紙、本かがり支持体に帯麻使用)とし、表紙・帙には欧米の製本形式を多用しました。

本書には、印刷物をまとめる「製本」、素材や各所の図案組版を設計する「装本」について、造本構成から装幀設計・製本の工程、本邦における製本洋式化の歴史、出版当時の手製本の普及の様子などが書かれています。よろしければ、お近くの図書館などでお手に取ってくださったなら幸いです。

<自己紹介>
手製本、紙やデザインや色遊びなどで皆様に学ばせていただきたく。

https://twitter.com/yorozuyacotori


スキル

投稿日

9 コメント

  1. 高橋 英世

    高い技術に裏付けられたステキな仕掛けの数々。
    材料も多く使われていて夢のようです。

    返信する
  2. そらまめ書林

    実物を見る前にご本人がTwitterにあげられている写真を見て表紙のエンボスとデボスが美しくてカッコいい、天小口の模様入りの染めも素敵だなと思っていました。会場で実物を見ると帙も凝っているし、随所にこだわりが見られてさらに感嘆。大変な力作だなと思いました。

    返信する
  3. 会場コメント

    センスが良い、すてきです

    返信する
  4. 会場コメント

    装丁のデザインも箱の構造も、も箱とても工夫が感じられます。

    返信する
  5. 会場コメント

    つくり、素材、色の世界観に惹かれました。

    返信する
  6. 会場コメント

    ケースのデコボコがぴったりはまるのがすごい!

    返信する
  7. 会場コメント

    なぜそのカバーにしたのかどうでもよくなる程、熱量が圧倒的でした。

    返信する
  8. 会場コメント

    綴じ三方帙も表紙のエンボス等の装飾にも素晴らしいと思いました。こんな作品を作りたいと思います。

    返信する
  9. ひだい

    今年一番素敵だなと思った作品。
    技術が高く、デザインも研ぎ澄まされている。
    たとえば表紙の凹凸。
    なんてきれいに出ているのだろう!
    しかもきっちり左右対称で。
    帙にもぴったりと収まるし、
    本当に清々しいというか、惚れ惚れするというか……。
    それと花布。
    あれはぜひどこかで真似したいです。

    返信する

会場コメント へ返信を残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です