90 改装本「和菓子」

size:216mm×152mm×58mm 360ページ

<作品の説明>
中村肇著 河出書房新社の「和菓子」(新装版 2018年発行)を改装した。京都の1年間の風物と和菓子が美しい写真で紹介され、解説はバイリンガル。元の並製本だと開きが悪いため、せっかくの写真が見にくく、分厚いために読みにくいことを残念に思っていたので、季節ごとに分冊化した。Sewnboards Bindingで、麻布を使用。見返しは季節の和柄の料紙を作った。四方帙を黒にして、元のイメージを残した。

<エピソード、制作時の事等>
「日本語」という範囲の広いテーマで何を作るか迷いましたが、結局日本語の本であればすべてが対象、と思い、作りたいものを作りました。見やすくすっきり、を心掛けました。
当然のことながら、並製本のページを折り丁に組み立てるのが手間でした。全ページ写真なので丈夫にするために一折8ページにしながら背の厚みを出さないように仕立てるのに気を使いました。

<自己紹介>
司書をしているので、毎日本とかかわっていますが、自分の読みたい本を思う存分読める時間がほしいと思いながら日々を過ごしています。好きな本を自分の好きな形にできるのは無上の喜びです。コロナ禍でというよりは、自分の暮らし方に変動が多く、家族のアクシデントへの対処などで、手を動かす暇がとれない2年間でした。そこから抜け出して体調も回復してきたので、また元気に製本ができたらうれしいと思っています。
http://instagram.com/kayokoatani/


スキル

投稿日

3 コメント

  1. 高橋 英世

    新春から春夏秋冬の和菓子がこんなに楽しいとは。
    四方帙、一折が8ページになる様な工夫。
    しっかりした作りのステキな本だと思いました。

    返信する
  2. ひだい

    「結局日本語の本であればすべてが対象」……これ、すごく大事だと思います。変に理屈をこねくり回されるより、ずっとすっきりする(笑)。どうして改装したかったのかが明確なこともあり、とてもきれいな仕上がり。元の表紙を活かした四方帙も素敵です。細部に気になるところもありましたが、基本的な考えがしっかりしているので、おいおいどうにかなるものと信じています。

    返信する
  3. そらまめ書林

    四季に新春が加わっているところがいかにも和菓子という感じですが、それぞれに合った色彩のカラフルな5冊が黒の函から出てくるところがきれいでいいですね。

    返信する

高橋 英世 へ返信を残す コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です