size:154mm×297mm×65mm 864ページ
<作品の説明>私自身のために考案した和製本ノートです。
製本は平和紙業のまんだら26色。箱は軍道紙と吉野の手漉き和紙を使用。
一冊ごとにデザインの資料集や設計集として完結させていきます。
極薄の和紙がトレーシングペーパーの役割をして、透けてみえる下書きをなぞるように書き込み、アイディアや絵を仕上げていく経過を記録できます。
ページ数をあえて減らしたのは、ひとつのテーマについて、一冊ごとに完結するためです。また、貼り込んだり挟んだりする余地を残すためです。使い始めると、ページを開いたときピタリと平に安定し、手になじみます。
一年の四季を十二の和色で表し、一から十二までの漢数字のエンボスを表紙にあしらい、初めて絹糸も使用してみました。
<エピソード、制作時の事等>百数十色用意されているという『まんだら』に興味を覚え店頭まで出向いて、色を選ぶのに一苦労しました。厳密に和紙というものを定義することが難しくなっているというお店の方のお話を伺い、それでも、魅力のある色や繊維の柔らかさに惹かれました。何冊かは、初めて絹糸を使用してみて、和本に艶を与えて紙になじむことが分かりました。
同様のものを色やデザインを少しづつ変えて何冊もつくるのは今回も難しく感じられました。
和色の微妙なくすみ感と手になじむ暖かい感じが気にいっています。表紙デザインの漢数字のエンボス仕上げは、ひと手間もふた手間もかかりましたが、製本デザインの中でも興味のあるエンボス仕上げの試作として、シンプルなシリーズを仕上げることができました。
箱は、古式ゆかしい手漉きの和紙を使いました。上蓋はめ込み式箱に興味が深まり、更に作っていきたいと感じました。
<自己紹介>イラストの仕事をしていたことのある私が、絵を描くことを再開して、将来描きためた絵やおはなしを絵本に仕上げたいという思いで、手製本に触れて早4年以上になります。不本意ながら、たいへんスローなペースで勉強中です。
先生方に教えていただいて、課題を仕上げるのと同時に、自分が作りたいテーマで自由に作ることにも興味が尽きません。
静かに集中して作る時間が持てるようになったことに幸せを感じます。
わたしもまんだらが好きで集めているのですが、
こうして本にして並べると、
一種の見本帳みたいで楽しいですね。
表紙によって変えた糸もきれいです。
エンボスもすっきりとして品がある。
ただ、箱は一考の余地ありだと思いました。
すべてきちんと収めてしまったら、目的の本のみを取り出すのは難しそうですから。
和とじのおもしろさがでています。