size:150mm×105mm×15mm 50ページ
<作品の説明>
柳田國男が度々取り上げた「狸」をイメージし、東京に住む狸が人間の真似をしてゴミを拾い集めてノートを作ったらどんなものになるか想像して作ってみました。
様々な種類のコピー用紙、プチプチ、荷造り紐を使っています。
柳田國男のような狸がいて、東京で人間の暮らしを観察していたら面白いですよね。
<エピソード、制作時の事等>
チラシや団子屋の包装紙、レポート用紙等印刷されたものはすべて1からIllustratorで作成し、ボロボロに見えるよう加工をしました。
印刷した紙を金槌で叩いたり紙ヤスリで傷をつけて、アクリル絵の具や醤油でシミをつけ、クミンパウダーを土埃風に付けたあと、剥落止めをかけています。
汚れ方が少し綺麗になってしまったので、もしまたゴミを作ることがあれば使用する画材のバリエーションをもっと増やし、汚れ方にバラつきが出るようにしたいです。
綴じは、習ったばかりの判取帳の綴じ方で綴じました。
綴じのアレンジは基礎をしっかり学んでからにしようと思い、習ったやり方そのままで綴じています。
<自己紹介>
洋本の仕組みや解体、綴じ方を知りたくて今年の6月から受講しています。
知らないことばかりでとても楽しいです。
知識や技術を教えていただきながら、正確にカットする・大きさを揃える等丁寧に作業することがあまり得意ではないので、受講を通じて鍛えていきたいと思っています。
「東京に住む狸が人間の真似をしてゴミを拾い集めてノートを作る」という発想が独創的ですね!汚れ加工がリアルすぎてすごい。一から作ったという解説を読んで驚きました。
改装や青空文庫からの正統派な出品が多い中、このオリジナルのアイデアは秀逸。Illustratorで作成した印刷物もとても凝っていて、手の込んだダメージ加工も素晴らしい。突き抜けていて、おしゃれな作品。
「東京に住む狸が人間の真似をしてゴミを拾い集めてノートを作ったら」という設定がよくわかりません。人間の真似をしたかったから? 人間はそれほど頻繁にノートを作っているでしょうか(手製本を学ぶ奇特な人たちを除いて)? それよりも理解しがたいこと、興味を惹かれることがあると思います。また、表紙にプチプチを使う理由とは? 現在、書店に並んでいる本は紙が使われているのがふつうです。本の構造を見抜くほど賢いタヌキが、あえてプチプチを使うでしょうか。さらに言えば、判取り帳はどこにでもあるものではありません。一体、そのタヌキはどこで見たというのか……。
汚れ加工はおもしろかったです。その想像力や努力が設定の方にももう少し向けてもらっていたらと思わずにいられません。
百姓っぽさがたまりません。
素材をボロボロにする徹底っぷりがたまりません。インタビューで知った、数ページにわたる赤字をつなぎ合わせたときにあらわれる文章の衝撃ときたら。ここまでリアルに非実在狸を想定して作り上げられた一冊、その全てが面白く、最高でした。
「都会のタヌキがゴミを集めてノートを作ったら、、、」という発想がどうしてできるのだろうと、面白さNO1。ぜひ木の葉も入れて欲しかった。