size:145mm×10mm×12mm 60ページ
<作品の説明>
表紙に「大」の文字、見返しには「寿」の、おめでたい文字がならぶ自由帳です。
テーマの「日本語」から、生活の中にデザインとしてある文字をさがし、一冊のノートに仕たてました。
「大」の字を染めた手ぬぐいに裏打ちをして、表紙に使っています。
かがり糸は、刺し子用の糸です。あたたかい桃色のグラデーションが気に入って選びました。
おめでたい文字がたくさん。持っていると幸運がさずかるかも?
<エピソード、制作時の事等>
テーマ「日本語」と聞いて頭をめぐったのは「文字」でした。
文字はデザインになって、生活の中で私たちの目を楽しませてくれています。
そこで、文字が染められている布や紙を使ってノートを作ろうと思いつきました。
ひとりで一から作品を作るのは初めてのこと。紙やさんではその種類の多さただただびっくり。刺し子糸は、かせから糸を引きぬいて使うということも初めて知りました。
かがりが弱くてぐらぐらしていたり、見返しがうまく扱えずにシワがよったり、思い通りには作れませんでしたが、最後まで取り組んで形にできたことの喜びが大きいです。
ひとつひとつ大変でしたが、楽しかったです。
<自己紹介>
基礎生です。
昨年10月から、月に1回レッスンに通って製本を学んでいます。
このコンクールで初めて、ひとりで作品作りに取り組みました。
そもそも「ものづくり」とは縁が浅く、するのはお料理くらいです。作る前の段階の、材料や道具を買い整えることから、初めてのことがいっぱいでした。
今、ひとつ作り上げてみて、(美しくは仕上がりませんでしたが)作ることって楽しいなと満たされた気持ちでいます。
大の文字が星のようにも見えて、面白い作品だと思いました。
手拭いの手拭いの裏打ちも綺麗に出来ているとおもいました。
表紙の「大」は、そのデザイン自体はかわいいのだが……言霊信仰もあるこの国において、めでたそうな文字は他にいくらでもあるのでは?との思いが拭えない。見返しは表紙と合っているとも思えない上、肝心の「寿」が目立っているとは言えず、タイトルとの落差ばかりが気になった。とは言え、表表紙・裏表紙の「大」の字の高さが揃っていて、丁寧に作業する人であることは窺えた。何度も一から作れば素材選びにも慣れ、もっとこなれた作品を見せてくれるようになるものと期待しています。
シンプルですが表紙のてぬぐいと刺し子用の糸の色のコントラストもよく、風合いもよく合っていてかわいい一冊だと思いました。